祝い肴や口取りなど、おせち料理の顔役!壱の重の料理に込められた意味
お正月の花形!おせち料理
お正月の特別なイベントの一つとして、家族や親戚が集まって食べるおせち料理があります。おせち料理は見た目も華やかで、普段はあまりお目にかかれないような珍しい食材も詰まっている為、味はもちろんの事、目で見て楽しむ事が出来るのが楽しみの一つです。
最近はおせち料理と言っても様々な種類のものが登場しており、単身者用や夫婦2人暮らし用の小さめなものから、家族や親戚と一緒に楽しめるような大型のものまで様々なサイズのものが登場しています。
また、サイズだけでなく重箱の中に詰められた料理の数々についても、一般的な和食だけでなく洋風や中華風などにアレンジされたものが使われている事も多く、バリエーションに富んでいるため目移りして選ぶのが大変な程です。
そんな多くの魅力が詰まったおせち料理ですが、いつも何気なく重箱を開いて楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
おせち料理に入っている食材にはそれぞれ意味を持っている為、由来や意味を知る事で、今まで見えてこなかった発見があり、料理をより楽しむ事が出来ます。
例えば、おせち料理が何段にも重箱を積み重ねて作られているのは「めでたい事や幸せな事が積み重なるように
との願いを込める意味で積み重ねられています。
また、重ねた重箱には様々な料理が詰められていますが、実は重箱の各段には決まった種類の料理を収めるという意味があり、食材についても重箱の格段の調理法にあわせた縁起物の食材が使われています。
近年で一般的となっている三段重の場合では、「壱の重」は「祝い肴と口取り」、「二の重」には「酢の物や焼き物」、「三の重」には「煮物」が詰められており、それぞれの料理ごとに込められた意味や願い事があります。
今回は、近年一般的となっている三段重のおせち料理の「壱の重」に込められた意味と、どのような食材が詰められているのかをご紹介していきます。
おせち料理の顔役!壱の重の意味
重箱が積み重なったおせち料理には様々な種類の料理が詰まっている為、思わず目移りしてしまう人も少なくないでしょうが、重箱のふたを開けて一番最初に眼に入るのは、何といっても「壱の重」とその中の料理です。
三段の重箱を重ねたおせち料理の場合、「壱の重」には「祝い肴と口取り」といった料理が詰められています。
祝い肴とは、お祝いの場で祝い膳として提供される酒の肴の事です。お正月には、お屠蘇と呼ばれるお酒を飲む事で1年間の邪気を払って無病長寿を願う風習がありますが、おせち料理の祝い肴はこのお屠蘇を飲みながら一緒に食べる肴として「壱の重」に詰められています。
祝い肴として利用される代表的な食材は、ごまめ、黒豆、数の子の3種類があります。
ごまめは乾燥させたカタクチイワシを乾煎りして醤油とみりん、砂糖で味付けしたもので、「五万米」の当て字をする事で「豊年豊作を願う意味として重箱に入れられています。
また、黒豆は真っ黒になるまで日に焼けるほど「勤勉に働く事が出来るように意味を込められており、数の子はニシンが親であることから、「二親健在」という意味と、たくさんの粒がある事から「子沢山」という意味があり、「子孫繁栄の想いが込められています。
「壱の重」に詰めるもう一種類の料理として、口取りがあります。口取りとは、お祝い事の場でお吸い物と共に最初に提供される肴の事です。古くはお酒と共に提供されるものでしたが、徐々に甘い味付けの料理が多く含まれるようになり、子供から大人まで様々な年齢の方が楽しめる料理となっています。
口取りの代表的なものには、伊達巻、きんとん、昆布巻きなどの料理があります。
伊達巻はおせち料理の華やかさを演出する特徴的なデザインが好まれると共に、巻物を思わせる形から、「学問や教養が身につく」ようにとの意味が込められています。
また、きんとんについては漢字では「金団」と書く為、金銀財宝と掛けて「金運に恵まれるようにとの願いを込めています。
また、昆布巻きは昆布の発音が「よろこぶ」に似ていることから「養老昆布」という意味が込められており、「不老長寿」を願った料理となっています。
このように、おせち料理の「壱の重」には、お祝いの席で最初に食べる料理が入っており、色とりどり縁起物の食材で構成されています。
また、「壱の重」は単に酒の肴が入っているだけでなく、お酒が飲めない人や子供向けの料理として、甘い味付けの口取りも併せて入っている為、家族みんなで楽しく食事が行えるように配慮された構成となっています。
まとめ
おせち料理には様々な食材を使った料理がありますが、その中でも「壱の重」には甘いものが好きな小さな子供や、お酒が好きな大人の人まで、家族みんなで楽しめるように厳選した食材と味付けで作られた料理が詰まっています。
「壱の重」はおせち料理のふたを開けたときに最初に目に入る重箱の為、祝いの席で最初に食べる食材を集めた重となっており、誰でも食べやすく華やかな料理になるように配慮されているんですね。
宴会が始まった時点から家族みんなで楽しむ事が出来、重箱の次の段にさらに期待が持てるように様々な工夫がされています。
おせち料理を食べる際には、重箱の各段にどんな食材が入っているのかを意識し、それぞれの縁起物の食材に込められた意味を考えながら食事を楽しむようにすると、昔の人の生活感や想いを垣間見る事が出来、これまで以上にお正月を楽しむ事が出来ます。
せっかくのお正月のご馳走であるおせち料理をより楽しむ為に、「壱の重」の食材にどんなものがあるのか調べてみると面白いかもしれません。
※画像はすべてイメージです。